[ドラムスコア] ランニング・アローン / アングラ
ツーバスの技を磨きたいならANGRA(アングラ)を聴くのが1番!
その中でも特に勉強になるアルバムRebirth(リバース)からRunning Alone(ランニング アローン)を紹介します。
ドラマーはAquilles Priester(アキレス・プリースター)
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曲解説
テンポ152
アングラの得意分野といえるほどの気持ちのいい疾走系ナンバーです。テンポ152という聞く方も演奏する方もノれる速さです。1つ目のポイントはAメロ前の3連リズムです。16分連打からいきなり3連に変わるのでチェンジアップの技術が問われます。意外に難しいですが、クセになるほど気持ちいい切り替えなので、ぜひともできるようにして下さい。
連打の持久力
曲の基本は連打ですが、Bメロ~サビにかけて踏みっぱなしになります。結構な時間連打しなければならないので持久力が試されます。
変化形リズム・6連リズム
さらにソロ部分では変化形リズム・ツーバスリズム・6連リズムと非常に濃い内容になっています。『ノれる』『面白い』『曲がいい』と、3要素が揃っているので個人はもちろんバンドでもコピーすることをおすすめします。ライブで披露すれば盛り上がること間違いなしです!
フレーズ解説
イントロ1 1回目フィルイン (0:10~0:13)
この曲の顔とも言うべきフィルインで、イントロで白玉アクセントからいきなりこれが来るので悶絶です(笑)
ポイントは線の区切りです。手と足の入れ方が同じなので、これを2回繰り返すと考えるとわかりやすくなります。手足を3-3・1-2・3-3を2回繰り返して、3-3の6連を1拍分足して、最後にスネアとシンバルでアクセントです。これを詰まらせないで流れるようにスムーズに叩くのは至難の業です。手足のコンビネーション系の中でも難易度はかなり高いですから。
一気にやろうとしないで、まずは手足を3対3にした6連をできるようにして下さい。それが出来たら1対2。これが出来て初めて通しで練習します。テンポも速く、足の3発と2発の切り替えが特に難しいと思いますが、遅れないようにして下さい。たとえフィルインを演奏する時でも、その中に『テンポ』を感じさせなくてはなりません。
この部分のドラム以外の楽器は白玉でずっと鳴らしっぱなしです。ドラムがちゃんとテンポを出してあげないと次のアタマが合いません。もちろん、このフィルの間にカウントを入れることは出来ません。なんせ両手両足全部使わないとできませんからね。ですが、心配無用です。その為のスネアの位置です。実はこのスネアの位置でテンポをとらえることができるんです。
もし、このスネアが全部タム回しだった場合、次のアタマは特にズレやすくなります。各人がそれだけのテンポ感を持っているなら話は別ですが、全てドラムに任せている人はドラムの音が細かすぎるとわからなくなります。タムもフロアもバスも音が似通っていますし、明確な音という意味では聴き取りづらいですからね。
だからこそスネアを入れることによってそれがカウントの役目をし、テンポを生み出すことになるのです。これが『テンポを感じさせる』ということです。フィルインがハシってもモタってもダメです。正確にかつ明確に叩くことによって、ドラムが目立つことができてテンポも生まれるというわけです。
さて、ここで1つアドバイスです。もし足の3発と2発の切り替えがどうしても無理だという人は、2発に統一してみてはどうでしょう。手足が3対3の所を4対2に変えるということです。私は6連を3対3に分けることをあまりしません。どちらかといえば4対2の方がやりやすく、十八番にもしています。
まあ、早い話がアレンジをしてあなたのやりやすいようにしてみてはどうかということです。その際はスネアの位置を変えずに、6連のタム回しも残したまま、手足の叩く場所をアレンジして下さい。あくまでこのフィルインのニュアンスは残しておかないとまるまる違ったものになってしまいます。せっかくの見せ所なのに、それを削るようなことはしたくないですからね。ちょっとした対処策なので、試してみてはどうでしょう。もちろん出来る人はバシバシやって下さい。
イントロ1 2回目フィルイン (0:22~0:25)
1回目のフィルインが先ほど紹介した6連で、繰り返して戻ってきた後の2回目のフィルインがこれです。パッと見でわかると思いますが、スネア・バス・ハイタムの繰り返しです。繰り返しということさえおさえておけば問題はないと思います。ただ、このフィルインは特にハシりやすいのでそこだけ注意して下さい。
イントロ2 (0:26~0:38)
上のフィルインのすぐ後のリズムです。シンプルな反面、ハシりやすいパターンなので気を付けて下さい。コツは16分4発の安定で、この4発をしっかり鳴らさないとフレーズ全体のバランスが悪くなります。つっこんだりもたったりせず、常に一定を意識して踏んで下さい。
イントロ3 (0:38~0:50)
このフレーズはリモートハイハットがあるのを前提としたパターンです。右に配置すればオープンハンドで叩けるのですが、用意できない人の方がやはり多いでしょう。その対処法としては『ハイハットをライドに変える』『3拍目のハイハットを抜く』『クロスハンドを工夫して叩く』と、いろいろ挙げることができます。フレーズの完成度を求めるならクロスハンドを工夫するやり方です。
ハイハットとハイタムを叩く際に、手をあまり上げすぎないようにして当たらないように叩きます。パワフルなサウンドにはできないですが、ここはパワーではなくテクニック性を重視しましょう。クロスハンドはパフォーマンス性が高く見せ所にもなるので、ばっちりキメればしてやったりです。
そこまで完璧を求めないのであれば、ハイハットをライドに変えてみてはいかがでしょう。この次のリズムもライドなので変になったりしませんし、流れは変わりません。もちろんハイハットを抜くというのも大いにありですよ。
イントロ3ラスト (1:13~1:18)
16分から3連へチェンジアップをメインとしたフレーズです。1拍目のスネアに付いている斜線はロールで、2・3拍目は左手でスネア、タムは右左右と叩きます。
続く3連リズムですが、今まで16分で踏んでいたのでその感覚が残っていると間違いなくミスしてしまいます。16分の感覚で踏んでしまうとグダグダになるので注意して下さい。せっかく3連のフィルインをはさんでいるので、この時に3連の長さをしっかりとらえておきましょう。その感覚で3連を踏めばできると思います。
この部分は頭でちゃんと先を考えて叩いて下さい。3連になる手前から前もって3連の長さを頭でシミュレーションしておきます。そうすれば詰まること無くスムーズに叩けるはずです。ここを上手くキメるとポイントが高いので気を引き締めて挑んで下さい。
Aメロ (1:18~1:41)
イントロのリズムでも言いましたが、シンプルな反面ハシりやすいパターンなので、気を付けて下さい。知らない間に16分の2発ではなく、32分の2発になってしまうこともよくありますからね。2発しかり4発にしても、はっきりと踏むことが重要なので、しっかり安定させておきましょう。
Aメロラストフィルイン (1:41~1:43)
イントロのフィルインでもちょこっと紹介した6連の4・2バージョンです。手足のコンビネーションでもこの形が1番使われます。ちなみに私の十八番フレーズの1つでもあり、オリジナル曲で必ず1回は使うほど活用度が高いフレーズです。ツーバスならではのフィルインなので、必ず使えるようにしておいて下さい。
このフレーズはこの先何度もお世話になりますし、困った時の強い見方になってくれます。いろんなパターンを考えて、いつでもすぐに出せるようにしておくことをおすすめします。ここで私の十八番フレーズになったきっかけを紹介しておきます。それがマイク・ポートノイ / リキッド・ドラム・シアター [DVD]です。
プログレ界では知らぬ者がいないほど有名なバンド・ドリームシアターのドラム、マイク・ポートノイです。このDVDでは彼のドラムに関する技術や知識を紹介しています(もちろん6連コンビネーションも)
ただ変拍子のことが多く紹介されているので、興味のない人や初心者の人は馴染めないかもしれません。ですが、テクニックという意味では最高の教則DVDなので、見ておくことを強くおすすめします。私はVHSで持っているんですが、見たい部分をいちいち巻き戻ししなくてはならないのが面倒です。まあ、どうせ手に入れるならDVDにした方がいいと思いますが・・・。
Bメロ (1:43~1:52)
馴染み深い連打フレーズですね。詳しく知りたい人は『ツーバスでよく使われる基本パターン1』に詳しく書いています。動画もあるのでわかりやすいですよ。って、自分で言ったら世話ないですね(笑)
Bメロ (1:52~1:56)
見た目ややこしそうですが実際はそうでもなく、これはパラディドルを使ったパターンです。この曲ではパラディドルを使った変化形リズムを多用しているので、ここで練習しておけば後々楽になります。
では、シングルパラディドル(RLRR・LRLL)の手順で1拍ずつ確認してみて下さい。ちゃんと手順が合うと思います。ポイントはパラディドルの速さです。テンポ152でのパラディドルということと手の移動の速さが重要になります。
ダブルストロークのような繊細な技術がいるパラディドルは、移動が絡むと難易度が一気に上がります。音のニュアンスもつぶすことができないので、かなり繊細にかつ速く叩く必要があります。スティックコントロールが問われる場面です。普段から練習している人は問題ないですが、サボっている人にはちょっとしんどいかもしれませんね(笑)
まあ、パラディドルの速ささえクリアすれば何とかなるので、まずはそこから練習です。速さの底上げは一朝一夕では難しいですが、やればできる速さなので頑張って下さい。
2回目Aメロ前 (2:04~2:08)
16分から3連へチェンジアップします。この落とし方がすごくやみつきになります。前回は3連フィルで1クッションさせていましたが、今回は一気に変わるので注意しないといけません。流れを壊さないようスムーズに叩いて下さい。ちなみに3小節目は4分の2に変わるので、そちらも注意です。
2回目Aメロラストフィルイン (2:31~2:33)
16分のコンビネーションフィルインです。タムを順に回していくだけなので、後は手足の数さえ把握すれば問題ないと思います。
サビ (2:58~3:04)
ツーバスでよく使われる基本パターンについては先ほども説明したので省略します。説明はあえてしませんが、サビのメインリズムなので譜面だけでも紹介しておきます。
サビ (3:04~3:11)
刻み変化形リズムで、ライドを叩く時はカップもしくはその付近を叩いて下さい。1小節目も2小節目もだいたい同じ形です。入れ替えただけなので1小節目が出来れば問題ないと思います。変化形刻みは応用度が高いのでメタルでもよく使います。このパターンの1拍1拍を入れ替えればまた違ったパターンになるのでいろいろ試してみて下さい。
サビラストフィルイン (3:22~3:24)
スネアから順に2発ずつ回すフィルインです。ズレるとすぐにばれるので誤魔化しはききません。足と手がちゃんと合うようにして下さい。もちろん2発をしっかり鳴らすことも忘れないで下さいね。
ちなみにこの次のフレーズは白玉なので、両手でシンバルを叩くとちょっとしたパフォーマンスになります。いつもは片手で叩いているのを両手で叩くことによって、ちょっとした変化を付けることができます。見せられる所はきっちり見せる。ちょっとしたことでも印象は変わってくるので、積極的に見せていきましょう。
ソロ (3:40~3:50)
譜面に載っている手順を見てもらえればわかると思いますが、これもパラディドルを使ったリズムです。ここでは若干テンポが下がるので最初に紹介したパラディドルフレーズが出来たなら問題はないと思います。
ただし、このフレーズは左手の移動がポイントです。スネアとライドを行ったり来たりするので遅れると当然のごとくリズムも遅れます。かといって速さを意識しすぎると完成度が低くなります。ライドは叩く位置でガラリと音が変わるので左手の移動とコントロールはしっかりとして下さい。
右手で叩く時はカップもしくはその付近を叩き、左手はそれ以外の部分を叩いて下さい。そうすることにより同じライドでも音に変化を付けることができます。
ソロ (3:54~4:04)
同じ刻み変化形リズムでも今度のはウラ打ちで、しかもリバースパラディドルを使います。複雑そうですが実はいたってシンプル。手順はリバースパラディドルでスネアは交互に叩き、そこ以外は右手がライドで左手がハイハット。パラディドルが出来るなら後はどこを叩くかの確認をするだけで大丈夫です。
ただし、音には注意して下さい。左手はハイハットを叩くことに慣れていませんので、勢い任せでは音のニュアンスを潰しかねません。ちゃんとコントロールして音を壊さないようにして下さい。
このフレーズを叩いている時は若干パフォーマンス性が上がります。パッと見では何をしているか理解できず、それでもリズムはちゃんと聴こえてくるので「お?」と思わせることができます。チャンスなので完成度は高くしておきましょう。
ソロ (4:35~4:42)
さて、このフレーズを紹介する前に1度よく見て下さい。ツーバスリズム16分「ドドドッ」で紹介したリズムとほぼ一緒です。ページの1番最後に紹介しているので、そちらを参考にここでの説明は省かせていただきます。
ただ1つ違う点があって、それはスネアにシンバルアクセントが付いていることです。そしてこのシンバルアクセントはミニチャイナを使って下さい。クラッシュではサスティン(長さ)が強いですし、大きいチャイナでは音がでかすぎます。ここでは軽くアクセントを付ける感じなのでミニチャイナが1番適しています。
持ってない人はこれを機に手に入れてみてはいかがでしょう。小さいのでペダルケースに入れることができ持ち運びも楽ですし、1枚あるだけで表現力も格段に上がります。使用する為のアタッチメントをセットにして持ち歩いていれば、いつでもどこでも出し入れ自由です。
実は私もこっそり忍ばせてあります。おすすめミニチャイナはSABIAN(セイビアン)のAAシリーズ12インチ。おすすめシンバルアタッチメントはTAMA(タマ)のMCA63EN。ただ、両方忍ばせるとカバンが少し重くなりますけどね・・・(笑)
ソロ (4:45~4:57)
この曲の山場の1つである6連リズムの登場です。クセのないシンプルなパターンですが、速いので意外に難しいです。瞬間的な連打技術が必要で、6連の難しさはその速さと正確さにあります。
つまづく最大の原因である速さは一朝一夕では身に付きません。速さといっても速いテンポで踏み続けるのと一瞬で速い連打を繰り出すのとではわけが違いますから。さらに速さを克服しても6発を正確に踏むことが輪をかけて難しいのです。
6連はその名の通り6つです。5つでも7つでもありません。速さに任せて踏んでも以外に踏めないのは6発を正確に踏めていないからです。6連は難易度が高く使いこなせるということは1ランク上ということになるので、一種の目標として使いこなせるようにはなっておきたいですね。
6発が合わないという人は思い切って次のアタマ(2・4拍アタマ)に1発足して7つにして踏んでみて下さい。こうすれば最後が右足で終わるのでやりやすくなります。ただし、右足を足す時はスネアとちゃんと合わせて下さい。ズれると逆に変に聞こえますから。まあ、入れる入れないはあなたの判断に任せます。やりやすい方でやって下さい。
全体のペース配分に注意
ソロの6連が終わった後は各セクションを繰り返してラストまでいきます。それぞれのフレーズは紹介したのを参考にしてもらえれば大丈夫です。ラストはツーバスを踏んでいる時間が長いので、序盤で体力を使いすぎるとしんどくなります。全体のペース配分に注意して下さい。
基本的には繰り返しが多いので、譜面も省ける所は省き、ポイントとなる部分もそれにそって紹介しています。どこのフレーズか把握しにくいかもしれませんが、フレーズと同時に使われている部分のタイムも書いているので、そちらを頼りにして下さい。
- ※楽譜について
- 楽譜(譜面)は耳コピを基に作成しています。細かい部分まで聴き取り自信をもって記譜するつもりですが、各ドラマーなりの手癖、ハイハットや各シンバル、ゴーストノートを使用しての細かなフレーズや音質上、聴き取りづらいフレーズに関して正確に記譜できない場合があります。「絶対にこうだ」という保証はありませんので予めご了承下さい