ドラムスティッキングのオルタネートとナチュラルの違い
オルタネート・スティッキングとは、右→左もしくは左→右というように交互に叩いていくやり方です。
ナチュラル・スティッキングとは、演奏したい音符をオモテとウラに振り分けて叩いていくやり方です。
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それぞれのスティッキングの手順
サンプルパターンを使って具体的に手順を見ていきましょう。
オルタネート・スティッキング
サンプルパターンの手順をオルタネート・スティッキングで考えるとこのようになります。ちゃんと交互になっているのがわかると思います。交互に叩くというのはそのままの意味で、音符の形に関係なく左右交互に叩いていきます。
ナチュラル・スティッキング
サンプルパターンの手順をナチュラル・スティッキングで考えるとこのようになります。こちらの手順のポイントはオモテを右手で、ウラを左手で叩いている点です。8分音符のオモテを右、ウラを左と考え振り分けると1小節目のようになります。同様に、16分音符のオモテを右、ウラを左と考え振り分けると2小節目のようになります。
1小節目の2~3拍目と2小節目の2・4拍目、つまりそれぞれマルで囲っている部分で手順が連続しているのがわかると思います。オルタネート・スティッキングとは違い音符の形によっては片手が重複する場合があるのが特徴です。
どっちのやり方がいいのか?
ドラムの基本的な手順はナチュラル・スティッキングになります。つまり、演奏したい音符をオモテとウラに振り分けて手順を考えるのが一般的です。ほとんどの人はこのやり方で叩くのではないでしょうか。
そうする理由は簡単。その方が叩きやすいからです。
先ほどの譜面をオルタネート・スティッキングで叩くとなるとかなりやりにくく、安定しにくいです。その原因は特に2小節目の3拍目にあります。
オルタネート・スティッキングの手順による2小節目の3拍目を見ると、手順が「LRLR」になっています。この譜面を通して叩いてみるとわかりますが、そこで結構詰まります。
前の2拍目で出てくる音符の形が奇数なので、それにより手順が逆になります。1拍目と3拍目は同じ音符の形なのに手順が真逆になってしまっています。奇数音符が出てくるたびにさらに手順が入り乱れるので、これではやりにくいのも納得です。
オルタネート・スティッキングは特殊な場合に活用すると良い
オルタネート・スティッキングの手順はやりにくいからダメ、というわけでは決してありません。この手順の良さが発揮されるのは難しいタム回しや楽器の配置による叩きづらさを解消したりする時です。
たとえば、タム回しのフレーズで楽器の配置の都合上、ナチュラル・スティッキングではやりにくい場合があります。
上記譜面をナチュラル・スティッキングの手順で叩いた場合はかなり無理が生じます(左の譜面)。遅いテンポならまだしも、速いテンポでは手が追い付かず、正確にヒットすることもままならないでしょう。しかし、オルタネート・スティッキングの手順で叩くとやりやすくなります(右の譜面)
普段はナチュラル・スティッキングで問題ないですが、特殊なフレーズや音符の並びで難しい場合はオルタネート・スティッキングで対応しましょう。
両方のスティッキングを練習しておこう
ドラムという楽器の特性上、左側にある楽器を左手で叩くのは簡単ですが、右手で叩くのは容易ではありません。逆もまたしかり。手を交差して叩くのが基本的なフォームといえど、叩く場所によっては困難になります。
オルタネート・スティッキングはどの楽器をどう叩くか、それによって無理な手順が生じた場合にその対処法の1つとして使用します。ナチュラル・スティッキングで叩くのが難しいならオルタネート・スティッキングで叩くと解消されるかもしれません。そう考えるとオルタネート・スティッキングが活用される機会が来ないとは言い切れませんね。
大事なのは演奏できるかどうか、ちゃんと叩けて音を出せるかどうか。元も子もない言い方をすれば、ちゃんと音が出せるならどんな手順の叩き方だってかまわないわけです。
とはいえ、人の体・関節は上下左右、自由自在に動かせるわけではないので、より最適な動きを追求していかなくてはなりません。
オルタネートはスティッキング技術の向上にも役立ってくれます。応用力の高いパターンを身に付けるためにも必要になってくるでしょう。先ほど紹介したタム回しのフレーズ以外にもリズムの中で活用する時だってあります。
手順で詰まった時などに、こういったやり方・考え方もあるということを知っておけば対処もしやすくなります。事前に練習を重ねておけば、ことさらそこで詰まることもなくなることでしょう。