チャイナシンバルの特徴とセッティング
エフェクトシンバルの一種であるチャイナシンバル。その特徴とセッティングの仕方、どんな音なのか、どこで使えばいいのか、おすすめはどれなのかを紹介します。
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チャイナシンバルの特徴
チャイナシンバル(China Cymbal)は、縁が反り返った独特の形をしています。
シンバルの周りが反り返っているのがわかりますかね?
横から見ると下の図のような感じです。
チャイナシンバルはエフェクトシンバルの一種で、基本のドラムセットには組み込まれていませんが、オプションとして追加する場合があります。リハーサルスタジオにも置いてある所がありますし、楽器屋さんなんかで1度は見たことがあるのではないでしょうか。
チャイナシンバルの音の特徴
- サスティン(余韻)が短い
- アタック時の立ち上がりが早い
大口径チャイナシンバルの音
チャイナシンバルはその形もさることながら、クラッシュシンバルよりもサスティン(余韻)が短く、アタック時の立ち上がりも早いので、瞬間的なアクセントを表現したい時に叩きます。
チャイナシンバルはその音の特徴柄、派手な印象を与えることに特化しています。ハードロックやヘヴィメタルなどでは普通に使われています。特にヘヴィメタルではツーバスを多用するので、それに合わせて連打すればこれ以上ないほどの迫力が出せます。
チャイナシンバルのセッティング
向き
表向きでも裏向きでも両方使えますが、裏返して使う場合が多いです。
ドラマーが表現したい音次第なので、どちらが正解とは言えません。
角度
高い位置にセッティングするなら縦寄りに、低い位置なら水平寄りにする方が叩きやすいです。これは反り返った部分が叩きやすいよう角度を決めるという意味です。
設置場所
設置場所は基本的に自由です。レンタルスタジオによってはチャイナシンバルが置いていたりしますが、本来ドラムの基本セットの中には含まれていません。オプションとしてドラマー自ら設置する場合が多く、叩きやすさをそれぞれが考えセッティングします。なので、邪魔にならず叩きやすい場所を探して設置しましょう。
ちなみによくある設置場所は右側です。ライドシンバルの奥、もしくは右隣にセットします。
右のクラッシュシンバルとライドシンバルの間に高めにセットするのがおすすめです。この場合は左にも置いて左右対称にすると見た目にもかっこよくなります。
パワフルに迫力を出したいなら大口径
チャイナシンバルというと基本は大口径を指します。標準サイズで18~22インチ。「ガシャーン」というド派手な音が迫力を持たせてくれます。
おすすめチャイナセット
SABIAN AA CHINESE 18″
派手でパワフル!アタックの立ち上りとキレがよく、攻撃的なサウンドなので、ここぞで使えば盛り上がること間違いなし!(私も使ってます)
おすすめ度 ★★★★★
SABIAN AAX CHINESE 20″
タイトに仕上げられたダークな音色。AAXはAAよりもピッチが低いのでヘヴィサウンドに最適。20インチという大きさに相応しい迫力の音です
おすすめ度 ★★★★
ヤマハ シンバルスタンド CS655A
可動部がネジ山式になっていてズレにくいので、不意の傾きを防いでくれます。傾きをミリ単位で調整できないですが、長期にわたって使用が可能です
おすすめ度 ★★★
音に彩りを加えるなら小口径
チャイナシンバルにはミニチャイナと呼ばれる小さいものもあります。標準サイズは10~14インチ。大口径のチャイナほど派手な音ではなく、「ジジッ」という軽いキレのある音がします。16分音符などの細かなアクセントには小さめのを使うと表現しやすいです。
おすすめミニチャイナセット
SABIAN AA mini CHINESE 12″
鋭い立ち上がりとキレの良さは抜群!シャープな音色が繊細な音使いをカヴァーします。持ち運びも楽でスプラッシュと重ねれば、また違った音になるのですごく便利です
おすすめ度 ★★★★
TAMA MCA63EN
シンバルにはスタンドが必要ですが、小さいシンバルのためにわざわざ大きなスタンドを使う必要はありません。小さいシンバルにはこのアタッチメントを使えば設置が可能です。おすすめする理由は?
おすすめ度 ★★★★★
いつでも使えるようにミニサイズを携帯しよう
表現力を上げるために小さいシンバルを常備しておくことをおすすめします。小さいのでかばんにもペダルケースにも入れることができます。セッティング用としてアタッチメントもセットで持ち歩けば、いつでもどこでも出し入れ自由です。私もカバンにこっそり忍ばせてあります。少し重くなりますけどね(笑)
重ねて使うとまた違った音になる
重ねシンバルと呼ばれるシンバル同士を重ねる使い方もあります。クラッシュとチャイナ、スプラッシュとミニチャイナなど、いろいろな組み合わせがあります。1枚ではなかなか出せない特徴的な音になるので、機会があればいろいろ試してみてください。
チャイナシンバルの使用例
ハイハットの代わりに
派手に盛り上げたい時にハイハットの代わりにクラッシュシンバルを叩く時がありますが、あれのチャイナ版です。チャイナではどちらかといえば4分音符で刻む時が多いです。8分音符だと鳴りすぎる可能性があるのでボリュームを気にしておきましょう。
ハイハットの代わりにチャイナを刻む使い方は先ほど紹介しましたが、これは4分音符ではなく少し変化したリズムを叩く時に使用します。印象を変えられるので、単調な流れからちょっとした変化を与える時に使えます。
アクセントをつける
チャイナシンバルとスネアを一緒に叩いてアクセントとして派手に表現します。クラッシュでもかまいませんが、4分音符の長さを表現したいならクラッシュを、瞬間的なアクセントを表現したいならチャイナが最適です。
フィルインで使う
細かい音符で叩く場合は小口径が最適です。音に彩りを持たせる目的で装飾として使います。エフェクトシンバルと言うくらいですから、シンバルの音色を使い分けたりすると表現が豊かになります。複雑なフレーズだと見てる方も面白く、テクニシャンな印象を与えられます。
ツーバスを使った派手なフィルインです。このフィルインは大・小どちらの口径でもいけます。細かく刻んでいきたいなら小口径を、迫力が欲しい場合は大口径を使用します。
ツーバスをより一層際立てるチャイナシンバル
先ほど少し説明しましたが、チャイナシンバルはヘヴィメタルなどではよく使われています。瞬間的に音が立ち上がるので1発1発はっきりと聞こえます。揺れも抑えられる形状なので連打するのに向いています。
クラッシュシンバルだと音が長く残ってしまいはっきりと聞こえません。叩くと結構揺れてしまうこともあり、連打には適していないわけです。
ツーバスと一緒に連打することでこれ以上ないほどの迫力が出せる
私は練習やライブには必ず自分のチャイナシンバルを持っていきます。私が使っているのはSABIAN(セイビアン) AA Metal-Xシリーズ 18″(インチ)なんですが、「ジャン!ジャン!」とパワフルかつ攻撃的なサウンドで迫力あるのが特徴です。私はこれが無いと落ち着かないんですよね。
いつも使っているスタジオには必ずチャイナが1組置いてあります。そこに自分のを足して左右にセッティングすることで、見た目も派手に、そして大胆かつアグレッシブな演奏が可能になります。
左右からニョキっと上に向いて角みたいです。要塞の外壁と言った方がかっこいいですかね。見た目本当に派手で凄味がありますよ。
叩いた時の音とパフォーマンス性は他のシンバルでは到底出せません。スネアと一緒に叩くと曲やフレーズに迫力を持たせられると同時にタイトな表現にもできます。クラッシュでは余韻が長いと思う時はチャイナにして鳴りを抑えたりもします。
ライブハウスやスタジオに1組は置いてある所がありますが、連打しようと思ったら2組必要なので、どっちにしてももう1組必要になるわけです。自分の理想を追求する為にも用意しておいてはいかがでしょう。
注意が必要
チャイナシンバルはソロの時やここぞといった時はツーバスとの連打でよく使いますが、やりすぎには注意した方がいいです。迫力があるということは裏を返せばやかましいということにもなります。他の音が聞こえにくくなったり、他の人のプレイの邪魔をする恐れがあるので、考えなしに使うのではなく客観的な音量なども気にして叩きましょう。曲をたくさん聞いて使い方を覚える
どのように使い分けるか、その使い方はドラマーの次第です。表現力を鍛えるための『参考になるアイデア』は曲の中にたくさん入っています。どういう時に、どの大きさで、どう叩く、といったことは実際の曲を聞いて覚えていく方が近道です。
まずは普段聞いている曲の中に入っているかを探してみてください。入っていたら、どういうリズムで叩いているかをメモします。聞こえてくる音で大きさの目星もつけます。ガシャーンだと大口径の可能性が高く、ジジッという歯切れのいい音は小口径の可能性が高いです。
これらをメモしたものが『参考になるアイデア』となります。アイデアが多ければ多いほど表現力につながります。どんどん練習して自分のものにしていきましょう。
シンバルの使い方の参考になる
シンバルの使い方で特に参考になるのが、ドリームシアターのマイク・ポートノイです。シンバルプレイ及び重ねシンバルのバリエーションがすごく勉強になります。私も少なからず影響されたマイク・ポートノイ / リキッド・ドラム・シアター [DVD]を是非見ることをおすすめします。
ドラムプレイの要にするなら1セット持っておこう
リハーサルスタジオではちょくちょく見かけるチャイナシンバルですが、ライブハウスだと場所によっては置いていない所もあります。過去に自分で持参した経験が何度かあります。自身の演奏の中に組み込まれているなら、なるべく自分で用意しておく方がいいです。
仮に置いてあっても自分の求めるものではないかもしれません。自分の気に入っている音色をいつでも奏でるためには、お気に入りのチャイナシンバルを自分で持参するのが確実です。いきなり大口径はハードルが高いかもしれないので、小口径からでもOK。10インチ前後ならカバンにも入る大きさなので持ち運びも簡単です。
表現力を上げたいと思っているならうってつけのチャイナシンバル。これを機に、プレイスタイルを広げてみてはいかがでしょう。