ドラムセットのセッティングの説明方法。写真やイラストを使った書き方
ドラムセットのセッティングの説明にしばしば用いられるのが、写真やイラストです。ドラムマガジンなどの雑誌、メーカーのカタログ、音楽系WEBサイトなどで頻繁に目にすることもあるでしょうから、これといって珍しいものではありませんが、知っておくに越したことはないのでここで説明しておこうと思います。
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ドラムのセッティングの説明には写真が良く使われる
ドラムセットのセッティングの説明の際、よく使われるのが写真にテキストを添えるパターンです。ドラムの雑誌やカタログで見るような感じです。
各楽器に番号ないしアルファベットを当てがって、それに対応する名称とサイズを添える場合もあります。私が持っている海外プロドラマーの教則冊子にはこの形式でセットアップが掲載されていました。
結果的にどれがどれなのかがわかるなら表記の仕方は何でも良いと考えます。
各楽器の名称といろいろな表記法
各楽器の名称
日本語 | 外国語 | 略語 |
---|---|---|
バスドラム | Bass Drum | BD |
タムタム | Tom Tom | TT |
ハイタム | High Tom Hi (Tom) | HT |
ミドルタム | Middle Tom Mid (Tom) | MT |
ロータム | Low Tom Lo (Tom) | LT |
フロアタム | Floor Tom Fl (Tom) | FT |
スネアドラム | Snare Drum | SD |
シンバル | Cymbal | Cym |
ハイハット | Hi-Hat | HH |
クラッシュ | Crash | CR (Cr) |
ライド | Ride | R |
スプラッシュ | Splash | SP (Sp) |
チャイナ | China | CH (Ch) |
タムタムに関してはハイタム、ミドルタム、ロータムと区別せず、サイズで区別する場合の方が多いです。例えば、TT12″、TT13″など。
ハイ・ミドル・ローは決まった大きさというわけではなく、相対的に区別しやすいよう形骸化しているだけです。タムが3つなら上からハイ・ミドル・ロー、2つならハイ・ローという感じ。ただ、この表記は若干混乱を招く場合があります。
たとえば、2つのタムタムにおいて、
ハイタム12″、ロータム13″という組み合わせもあれば、
ハイタム12″、ロータム14″という組み合わせもあります。
サイズが違うのに相対的な差でハイタム・ロータムと名付けると、大きさが違うにもかかわらず名称だけは一緒という混乱を招くわけです。標準的なサイズとしてハイタム12″、ロータム13″と言われてはいますが、組み合わせ次第で中身の大きさが違っていてもハイ・ローと表すというわけです。
とすると、仮にタムの数が4つになった場合はどう区別していけばいいのでしょうか。
5つなら? 6つなら? 10なら?
数が多くなってきた場合、どれがハイタムでどれがロータムでということの不毛さがわかると思います。
よって、タムは基本的にサイズで理解しておく方が良いです。もちろん、形骸的な言い方も知っておく必要があります。でないと、ハイタム? ロータム? と混乱することになりますから。
表記法の基本は『楽器名』と『サイズ』の明記
調べてみるといろいろな表記の仕方がありましたが、本質は変わりません。
基本は『楽器名』と『サイズ』を組み合わせた表記になります。
楽器名は日本語、外国語、略語といくつか分かれます。
サイズは単位がインチしかないので、数字だけか単位記号をつけるかどうかの違いしかありません。
各太鼓の胴のサイズは書いている・書いていないがまちまちでしたが、どちらかといえば書いていないことの方が多かったです。できれば、書いておく方がわかりやすく親切ですね。
それ以外では楽器名が先か、サイズが先かの違いです。
では、サンプルを見てみましょう。
ハイハット14″
Hi-Hat 14″
HH14″
14″×5″ スネア
14″×5″ Snare Drum
14″SD
SD14
外国では「胴×口径」で表すのが一般的
ドラムのサイズを表す時に「口径×胴」の順番で表記するのは日本特有です。
外国では順序が逆になって「胴×口径」と表記するのが一般的です。
18″×22″ Bass Drum
5″×14″ SD
とはいえ、外国でも「口径×胴」の順番で書いている場合もあるのであまり気にしないで良いと思います。表記順に決まりはないと思いますし、大きさの全容がわかればいいのでどちらが先かにあまり意味は無いと思います。そうする場合があるということを覚えておけばいいでしょう。
個人的には『楽器名+サイズ(口径×胴)』がわかりやすい
Bass Drum 22″×18″
SD 14″×5.5″
HH 14″
Crash 16″
太鼓やハイハットに関しては、そのままでも略語でもわかりやすいのでどちらでも良いと思っていますが、どちらかといえば略語の方が短くシンプルで良いですかね。
シンバルは、Crash、Ride、Chinaなどそのまま書いた方が分かりやすいと思っています。略語だとCr、Chでぱっと見どっちがどっちかわかりづらいと思いますし。
数字に関しては、単位記号がインチ以外無いので省略しても良いと考えますが、書いてある方がしっくりきます。
結果的にどの形式、どの順番でも、伝えたいことが伝われば問題ないと思います。言いたいことは同じなわけですし、好みの違いはそれぞれあると思うので作り手次第で良いと思います。
ただ、最低限の情報は明記してあげると親切ですかね。位置関係である程度理解できるとはいえ、はしょりすぎて数字だけとかになると考える労力を使います。ドラマーならある程度経験で何とでもできますが、そこまでの知識や経験がない人が見たら最悪理解できないと思います。なるべくパッと見で誰にでも理解できるように工夫してあげると良いですね。
ドラムのセッティングをイラストで説明する場合
イラストでドラムセットを表す場合はセッティング図と言ったりもします。セッティング図とは、どの楽器を、どのような位置で、どれだけの数で、何インチの大きさなのか、といったドラムの内容を詳しく書いている見取り図のことです。
大体は真上から見たイラストで表したものが用いられ、種類と大きさだけを書いた簡易的な図もあれば、メーカーやそのシリーズまで親切に書かれた図もあります。
雑誌とかではドラムセットを写真に撮って1つ1つ楽器の詳細を付け加えていったものが多いですが、イラストは現物がない時でも対応できて、ちょっとした修正も手軽に行えるので重宝します。
楽器の名称だけをリスト化するだけでは、どこにどう置くのかがわかりません。イラストでは立体的に見ることはできませんが、ないよりある方がわかりやすいのは間違いありません。配置を説明するためにもイラストを付け加えた方が良いでしょう。
では、イラストを使ってドラムセットのセッティング図を見ていきましょう。
イラストを用いた場合は次のような感じになります。
上のイラストは色分けしてわかりやすくしていますが、もっと簡略化されている場合の方が多いですね。
日本語、外国語、略語、記号など、書き方にこれといった決まりはありません。制作する人によって書き方も変わりますが、結局伝えたいことは同じなのでそれがわかれば何でもいいと思います。
ある程度ドラムセットの構成が分かっているなら、たとえば次のような書き方でも大体理解できます。
かなりはしょった書き方ではありますが、最低限の表記さえあれば位置やサイズだけでも大体どんな感じか理解できるわけです。
ドラムセットを説明する時の参考に
個人でメモするくらいならたいして気にしなかったのですが、説明する側として考えた時、どういうふうにすればわかりやすいか疑問に思いました。それで今回いろいろ調べてみたわけです。
どんな書き方であっても見たことがない場合は理解しづらいかもしれないので、書き方ないしイラストなどによるドラムセットのセッティング説明には慣れておいた方が良いですね。
とはいえ、思っている以上に書き手に依存しています。ドラムのセッティング自体ドラマーの裁量が大きく影響するので共通した書き方をするのは難しいです。最低限の表記の仕方はありますが、それ以上になるとカオス状態です。
もし仮にドラムのセッティングの説明をする機会があるなら、写真かイラストを添えて、口径に胴のサイズまでちゃんと書いてあげると見る側は非常に助かると思いますよ。