パールのペダル・エリミネーターのセッティングの仕方
「エリミネーターは初心者には扱いづらい」と言いますが、私はそうは思いません。確かにいろいろと調整ができ、変更できることが逆に迷いを生む原因になります。私も迷う時はあります。しかし、それは基準を作ることによって解決できるのです。
初めて使う人や初心者の人に良くあることが『どういう調整をしたらいいか分からない』です。慣れていないはずなので仕方がないですが、だからこそ『基準』を作ることによって、自分に合うセッティングへの道のりをわかりやすくするのです。まずは基準を作っていきましょう。
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基準を作る為の手順
- カムはとりあえずオーソドックスに黒を選んで下さい
- パワーシフターはノーマルです
- アジャストメントは1番手前にします
- ビーターアングルは真ん中にします
- スプリングの強さを調整するネジは棒部分とネジの面部分が平らになるようにします
- ビーターの長さは下が面と平らになるようにします
これが基準です。誰がなんと言おうと基準です(笑)。ただ、このままだとやりにくいと思うので、これから変えることを前提に今はこの基準にそっておきましょう。
では、踏んでみて下さい。
どうですか?満足できますか?
満足できないならここからいろいろ変えていきましょう。1から順に変えていけばわかりやすいですね。基本は『大きく変わる所を最初に変えて、細かく変わる所は最後に変える』です。大きく変わる所は1・2・3で、細かく変わる所は4・5・6です。
1、カムの基準は黒
あなたはどの要素に特化したペダルにしたいのですか?
[ パワー=黒 、スピード=青 、コントロール=白 、フットワーク=赤 ]
これが1番重要です。決まったらそれに合ったカムを選びましょう。違いを確かめるために、いろいろ付け替えて試してみるのもいいですね。
2、パワーシフターの基準はノーマル
もっと踏み込みを深くしたい、もしくは浅くしたい時はここを変えていきます。踏み込みを深くしたいなら右(ストロング)、浅くしたいなら左(ライト)です。
3、アジャストメントの基準は真ん中
パワーシフターを変えても踏み込みがまだ足りない場合はここを変えます。踏み込みを深くしたいなら下(手前)、浅くしたいなら上(奥)に変えましょう。ここまでが土台になるのでしっかり決めましょう。
4、ビーターアングルの基準は真ん中
少し見にくいかもしれませんが、写真の真ん中下らへんに目安のラインが5本ありますよね?そして、その上の丸い輪の部分に1本ラインがあります。目安のラインで1番長いのが基準になるので、そこへ1本の方を合わせておきます。
つまり、これを左右にずらして調整するということです。ビーターの角度を下げたい時(接続部を下げる)は1本ラインを左に、上げたい時(接続部を上げる)は右にずらしましょう。ミリ単位で移動可能なのでかなり細かくなりますが、大体で良いですよ。ずらして踏んでずらして踏んでを繰り返して1番しっくりくる所を見つけていきます。
5、スプリングを調整するネジの基準は棒部分とネジの面部分が平ら
中の棒とネジの面が平行になるようにします。ネジの出方はパッと見ではわからないので、まずはこの状態にしてから1周もしくは半周単位でずらします。
ミリ単位で動かせる部分は特にきちんと基準を作っておかないと全然わからなくなります。せっかく調整してもちょっとしたことでズレてしまいます。ズレてしまうと元に戻すにはかなり時間がかかりますから、しっかりと基準を把握しておきましょう。
ネジ部分はボードの戻りを調整することになるのでヒールダウンなどで確認すると良いでしょう。ダブルが踏めるならさらに分かりやすくなります。
6、ビーターの長さの基準は面と平ら
先を長くすると少し重くなる分、パワフルなサウンドが出せます。逆に短くするとアタックは弱くなりますが、その分軽くなるのでスピーディーな演奏が出来ます。これはあなたの好みなので踏みやすさに応じて変えて下さい。土台は出来上がっているので、気軽に決めてもらって大丈夫です。
ちなみに私は先が12、5cmになるようにしています。私が使っているのはキタノのチタンビーターで、全長は大体18cm位です。練習やレコーディングの経験上、この長さが1番やり易く良い音が出せるんです。
意外に便利なストッパー
ストッパーを使えばいちいち調整しなくていいので楽ですよ。重りにもなるのでビーターが軽いと感じた時の重さ調整にも使えます。エリミネーターP-2000・1000シリーズはクォードビーターなので初めから付いていますが、それ以外では付いてません。別売りになるので注意して下さい。いくつか良さそうなのを紹介しておきますので、ほしいという人はどうぞ。
- Pearl ビーター ウェイト BW-100
- Pearl ビーター セッティングストッパー DC-394A
- Pearl ビーター セッティングストッパー ME-732A
- TAMA ビーター バランサー BC7
- DW ビーター メモリーロック DW-1303ML
もう1つのセッティング方法
もう1つのセッティングの方法とは『あえて変えないこと』です。今でこそ私は細かくイジりませんが、買った当初はかなりイジくっていました(笑)。練習中に気になったら変えて気になったら変えての繰り返し。おかげで練習に身が入らない時もありました。あまりに変えてしまうので、最初にどんなセッティングをしていたか忘れるぐらいです。
これではさすがにままならないと思った時に、この『あえて変えないこと』を実行したのです。1~6のようにまず基準に合わせて、そこから細かい調整をあえて省くことによって調整していくのです。
今の私のセッティングの1番のポイントはビーターアングルです。ここの調整をする時は特に気をつけています。後は必要に応じてヒール部分をズラすぐらいです。まあ、それでも無理な時はカムも変えますが、ほとんどこれで解決します。
やり方がかなり変わったと思っています。細かかったのが逆に大まかになるぐらい。ですが、それでもエリミネーターじゃないと駄目なんです。
細かい調整が出来るからこそ大まかにできるのです。細かく調整できるエリミネーターだからこそ、大まかにすることでわかることもあるということです。まあ、細かく調整してきたからこそわかったことではありますが、変えないことも時には必要です。できないより、できるけどやらないというのも時には大事なんです。ですが、それも結局はあなた次第。
基準ありきの変更
踏み込みの強さやビーターの角度、ネジの強さなんかはそれぞれの好みで大きく変わります。あなたが納得するまでイジクリたおしましょう。『基準から変える』が基本です。基準ありきの変更なので、忘れないようにして下さい。
どうしたいか迷った時は、まず必要な要素をはっきりさせましょう。あなたに必要な要素、すなわち、パワーやスピードといった機能をできる限り絞り込むということです。そうすれば、あなたの理想が自然と見えてきます。神経質になる必要は全然ありませんので、気軽に楽しんでやりましょう。時間なんて気にしないで夢中になることをおすすめします。というか、普通におもしろいですよ。