おすすめリズムマシンBOSS DR-670 / Roland
リズムマシンの定番シリーズ
今となっては古い型になりますが、私が使ったことがあるリズムマシンなので紹介しておきます。Dr.Rhythmシリーズはリズムマシンの定番として多くの人に支持されています。DR-670はDR-770の高品位で、バリエーション豊かなサウンドと優れた操作性を継承したあらゆる音楽ジャンルを幅広くカバーするリズムマシンです。
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詳細
- メーカー:BOSS (ボス)
- 型番:Dr.Rhythm DR-670
- 種類:リズムマシン
- 特徴1:大型ディスプレイで見やすい
- 特徴2:キーパッドのカスタマイズが可能
機能
大型ディスプレイで見やすい
実際見やすくてなかなかいいです。使ってみないと気付くことができないかと思いますが、細かな工夫がいろいろなされています。見ながら打ち込むという意味では使いやすいと思います。
キーパッドのカスタマイズが可能
内蔵されているキットはジャンルや用途によってあらかじめ決められていますが、それを自分好みにカスタマイズできます。バスやスネアの音を1から全てカスタマイズすることも出来ますし、内蔵されたキットの中のこのパッドだけ変えたいといった部分変更可能です。
パッド部分には番号とパーツ名が明記されているので、バスなら13(KICK)、スネアなら14(SNARE)と名称に合わせて設定していけば、どこに何の音が入っているのかも一目瞭然です。
音量(レベル)を設定する
各楽器の音量バランスを決めることが出来ます。本物のドラムで考えた場合、ハイタムとフロアタムは同じ音量ではありません。口径が小さいタムの方が高い音が出てかつ音量も大きいと思います。打点や力の入れ具合といった条件を同じにするとどうしてもフロアの方が楽器の構造上小さくなります。そういった事情を考慮してリズムマシンの音量調整をしないと不自然な音量バランスになってしまいます。ダイナミクスといったリアル感をより演出する為の機能ということです。
音程(ピッチ)を設定する
音の高さを設定できます。音には高さというものがあって、ちゃんと合った音程でないと気持ち悪く聞こえます。それを修正するための機能です。まあ、あまり気にしすぎると大変になるので、神経質になり過ぎないようにしましょう。
音の余韻(ディケイ)を設定する
音には長さがあります。シンバルを叩いたら長い間鳴っているのでわかると思いますが、その長さを調整するための機能です。主にシンバルのミュートを表現する時に使います。「ジャーン」ではなく「ジャン」と音を切った音を作るときに設定します。
定位(パン)を設定する
音の位置関係(鳴り具合)を設定できます。ドラムでいうと各楽器の配置関係、特にシンバルやタムの配置を決める重要な部分です。
仮にハイタム→ロータム→フロアの順にタムを叩くとしましょう。本物を叩いたことがあるならわかると思いますが、ドラマーの目線で言えば左から順にハイ→ロー→フロアとなるので聞こえ方は左からになります。にもかかわらず右から聞こえてくるとおかしなことになりますよね?
ドラマー目線で考えると基本セットでは左にハイハット、右にライド、タムは上記のようにセッティングします。にもかかわらずハイタムからフロアへのタム回しが右から流れるように聞こえる、もしくはライドも左から聞こえてくるとなると、位置関係がごちゃごちゃでわからなくなります。それを回避するためにパンを設定する必要があるということです。
ただし、狙ってやるならその範疇ではありませんし、ドラマーではなく相手の立場(聞き手)で考えるとまた変わってきます。奇抜なドラムのセッティング次第では本来その方向から聞こえてこないであろう楽器の音が聞こえてきてもなんら問題ではないでしょう。まあ、やりすぎると収拾が付かなくなりますし、ドラムの基本的なイメージというものがあるので、基本は大事にしたいところではあります。
紹介した以外にも打点位置を変えたり、音の重なりを変えたりする機能もあります。いろいろ設定することで自分好みの音を再現することが出来ます。
プリセット一覧
DR-670にはすでにプリセットとして何十通りものドラムキットが内蔵されていますが、気に入った1つのキットの中でも必要になる音・ならない音というのがどうしても出てくると思います。自分の好みにばっちり合ったキットにしたい場合は自分なりのオリジナルキットを登録してそれをカスタマイズします。
1から全て選ぶことも出来ますし、各キットの個々のパターンは一覧として表でみることができるので、デフォルトは1つ目のキットで、バスは2つ目のキットの音で、スネアは3つ目のキットから、というふうにそれぞれから取り出して設定することも簡単に出来ます。音量や音程といった各機能を駆使すれば何千・何万通りのオリジナルキットが作れると思います。
ドラムの基本的な音以外の音が必要になった時はキットのBタイプを使います。1つのキットにはそれぞれAタイプとBタイプがあって、デフォルトではAにはドラムセット、Bにはパーカッションの音が中心に入っています。片方16楽器分なので両方合わせて32楽器分の音を登録できます。パーカッションを使わないというのであれば、ドラムセットの音だけを集めて32楽器分登録できるということです。
オリジナルキット
好みの音、そして自分なりのルールを決めてカスタマイズすれば自分だけのオリジナルキットを作ることが出来ます。私の場合は9(CROSS STICK)、10(CLAP)、11(COWBELL)、12(PEDAL HH)をそれぞれクラッシュ1ミュート、クラッシュ2ミュート、スプラッシュシンバル、チャイナシンバルに変更しています。
最初はそれぞれカッコ内に書かれている楽器が設定されていたんですが、使用頻度が極端に低いので頻度が高い各楽器に変更しました。もちろんバスやスネア、タムや各シンバルに至るまで全て手を加えています。
オリジナルキットでのデモ音源
カスタマイズ表
右の写真は実際に自分の好みの音を細かく設定してカスタマイズしたセット表の一部です。スネアやバスの音はもちろん、タムやシンバル、エフェクト系シンバル、パーカッションに至るまで自分で設定しています。
私の場合はメタル系の音をイメージしたへヴィメタル専用キットです。中でも特にシンバルの種類と音にはこだわっていました。まあ、シンバルの音はどうしても限界があって、機械的でリアルな音になってくれないという面もありますが、デモ段階での作成で考えると十分使えると思います。
逆にリアルすぎるとかえって自分を否定しそうになるので丁度いいかなと思います。DR-670ではないですが、パソコン用のソフト『XLN AudioのAddictive Drums(アクティブドラムス)』を使った時、「こんなにいい音だと自分で叩いて録音する必要がなくなるんじゃないかな?」と本気で思ったことがありました。
実際それだけいい音だったんですが、さすがにそれを肯定するとドラマーとしての存在意義がなくなるので踏みとどまりました。やはりどんなに精巧なものがあっても自分がプレーヤーである以上、自分で録音した音が1番いいと実感しました(音の良さやレコクオリティーは別としてですが)
注意点
シンバルの音がイマイチ
このリズムマシンだけに限ったことではないのですが、どうしてもシンバルの音が機械的すぎて好きになれません。まあ、結局は機械ですし、割り切ってしまえば全然今の音でも十分、いやおつりが来るぐらい満足なんですけどね。
保存できるパターン数が少ない
これに関しては人によって意見が異なると思います。保存できるパターンの数は200なんですが、1パターンあたりデフォルトで設定されている小節数が4/4で2小節分なので、つまりは400小節分をまかなうことが出来ます。
私の場合はオリジナル曲のドラムが、たった3曲で一杯になってしまいました。まあ、いろいろなパターンがあったので1曲あたりの使用量も多かったのが原因ですが、普通にポップやロック、メタルでも8分系の曲となるともっと入れることが出来ると思います。それにパターンの数は決まっていても、やり方を工夫すれば解決できます。
打ち込む時のちょっとしたコツ
よく使うフレーズを共通して使う
ドラムには8ビートといった曲を通して共通している部分があります。その共通したフレーズをあらかじめ登録しておき、それを番号でメモなどに記録しておきます。メタルで例えたらハイハットウラ打ち連打フレーズを201番にして、ハイハットオモテ打ち連打は202、ライドウラ打ち連打を203といったふうにメタルの曲では比較的頻度の高いパターンを最初に登録しておきます。それを使い回しすることで登録するパターンを減らすというやり方をします。
テンポは曲単位で変更可能
同じフレーズでもテンポが違うとどうなのかという疑問も出てくるかと思いますが、問題ありません。Aという曲とBという曲で共通して番号201番を使うとしましょう。Aはテンポ140でBは160、同じフレーズでもテンポが違うからといって別々に打ち込む必要はありません。
確かに201番というパターンは1つだけですが、それを使うAという曲、Bという曲は独立しています。パターンではなく曲単位でテンポ140、160と別々にしてきちんと設定しておけば、201番は勝手にそのテンポに合わせて演奏されるようになっています。つまり、共通しているフレーズならばどんなテンポであっても使えるということなので、なにも心配せずによく使うフレーズをどんどん先に登録してください。
デフォルトで設定されている2小節分の拍子を変更
デフォルトで設定されている小節数は1パターンあたり4/4が2小節分です。このままの設定で8小節分作ろうと思ったら単純に4パターン分登録する必要があります。勘のいい人はわかったと思いますが、登録するパターンを少なくしたいなら、設定を4/4から8/4に変えてしまえばいいんです。
登録できるパターンの数は200で、4/4で2小節分の計400小節分となりますが、これはデフォルトの場合であって、拍子を8/4と考えれば倍の800小節分になります。つまり1パターンあたり8/4が2小節分だから1パターン4小節分。8小節分作ろうと思ったら、たったの2パターンだけで済むということです。
拍子を変更する際の注意点
このやり方で注意することは拍子設定を逐一変更していかなければならないことと共通したパターンにしにくいということです。
デフォルトでは全て4/4なので、8/4にしようと思ったら単純に200パターン分変更する手間が生じます。さらに1パターン2小節なら共通して使うことも多々あると思いますが、1パターン4小節となるとなかなか使いづらいです。
1回目のAメロの4小節と2回目のAメロの4小節が同じならいいですが、2回目だからちょっと変化させて最後の4小節目にフィルインを入れたいとなると別に作る必要が生じるわけです。ドラマー特有のちょっとしたマンネリ打破ですかね。まあ、1回目のパターンをコピペして、新しく作ったパターンの最後だけちょっと変更すれば手間を大きく省くことが出来ますけどね。
登録できる数が決まっているので無限に作ることができず、最終的に200一杯になるとは思います。そうなったら必要ないパターンを削除していかなくてはなりません。ただ、新しく登録するためにせっかく作ったやつを消したはいいが、それがまた必要になるというケースもあります。やり方に正解はないと思いますが、なるべく効率がいい方法を自分なりに見つける必要がありますね。
ロールボタンの活用
メタルでよく聞くウラ打ち連打やオモテ打ち連打といったバスドラムを連打しているパターンを打ち込む際は何度もパッドを叩く必要があるので結構大変です。そんな時はなるべくロールボタンを活用しましょう。
先にロールボタンを押し続けたまま、その後にバスドラムボタンを押し続けると、連続でどんどんバスが打ち込まれていきます。両方のボタンを長押しするだけで打ち込まれていくということです。全部バスを打ち込むならそのまま最後まで長押し、途中までならそこで指を離せば大丈夫です。大変な打ち込み作業もロールボタンを使えば楽になるのでなるべく活用してください。
オリジナル曲の制作に大活躍
バンドのオリジナル曲を作る場合、大抵はまず誰かが作ってきますよね?原曲をまず持ってきて、各自それに合うフレーズをイメージしていくわけですが、では、実際そのイメージしたフレーズが合うかどうかはいつどうやって確認するのでしょうか?
原曲をもらって自分のパートを考えて、それを練習し、いざスタジオに入って「せーの」でそれぞれ確認していくんですかね?まあ、正直な話、私は最初そうやっていました。ですが、これってすごく効率が悪いんですよね。しかも、自分も演奏に集中しないといけないので、他のパートのことまでなかなか気が回らないんです。
特に細かいフレーズになると演奏しながらでは合っているかどうかなんてわかるはずありません。ただでさえ音がこもってしまうスタジオでは特にです。時間もかかるのですごく効率が悪いです。
そうなるくらいなら、まず原曲をもとに自分でドラムパートを考え、そのドラムパートに他の楽器を録音して、各自の意見を取り入れて作ったデモを制作して、それを聞きながら練習する方が遥かに効率がいいと思います。
もちろんドラムパートを作る際は、各楽器との兼ね合いや話し合いを綿密にする必要があります。もっといろいろ細かく決めたりする時もデモを参考にしながらだとわかりやすくて効率がいいと思います。
そのためにもドラムパートを打ち込むツールがいるということです。原曲を作る人はある程度イメージしやすいようにドラムやその他楽器を打ち込む人もいると思います。そういった人のほとんどはリズムマシンを持っているはずです。ただ、持っているからといって、考えたドラム譜を渡して「打ち込んで」というのも酷な話です。ドラマーなら責任を持って自分のドラムパートを作るようにしましょう。
そうなるとある程度自分の考えに合った打ち込みが出来るようなリズムマシンが必要になります。あまりちゃっちいのを選ぶと大変です。逆に良過ぎても使わない機能や必要ない機能があってその分値段が高くなるのでこれまた大変です。そういう意味ではこのDR-670はある程度カバーしてくれるので便利だと個人的に思います。
フレーズ確認やアイデア制作には持ってこい
デモ制作はもちろん、ドラムフレーズやパターンの確認などの時は正直あるととても便利です。むしろ、ドラマーなら持っておいてほしい物の1つです。
ドラムパターンの制作や確認は各ドラムパーツの音や種類、楽譜が読める技術がないと成立しません。リズムマシンを使う場合はある程度楽譜が読めることが前提(まあ読めなくても直感的に使えるのがリズムマシンのウリ)ですが、各ドラムパーツの細かな音程や種類を全て把握していないとフレーズ制作は難しいです。全てをイメージできて、それを楽譜上に形にできるだけの力量があるならリズムマシンは最強のツールに変化します。
もちろん出来る人だけのツールというわけではなく、技術がなくても必殺のツールになります。適当に作ったフレーズでも意外に使えるものが多いんです。実際、私はいろいろと音を適当に打ち込んで作ったフレーズをオリジナルで使ったこともありますし、デモ音源を聞いてみるとわかりますが、ちょっと変わった音や奇抜な音もデモ段階で積極的に取り入れています。
それしか使ってはいけないというルールはありませんし、型通りでは新しいアイデアも生まれませんからね。まあ、やり過ぎてどえらいフレーズになったりしますけど、行き過ぎはさすがに曲としては合わないので、ちゃんと合うように調整しています。
DR-670にはすでに沢山のリズムパターンが収録されているので、ドラムのパターンに詳しくなくても内蔵されているパターンをつなげていけば、ある程度は出来るようになっています。
紹介した機能以外にも沢山の機能がありますし、ベースを打ち込むことも出来るので、リズム隊といわれるドラムとベースの連携もこれ1つでとりやすくなります。私が言うのもなんですが、なんだかんだでリズムマシンは本当に便利です。ぜひ、手元に1つは置いてほしいものです。
- メーカー:BOSS (ボス)
- 型番:Dr.Rhythm DR-670
- 種類:リズムマシン
- 特徴1:大型ディスプレイで見やすい
- 特徴2:キーパッドのカスタマイズが可能