ドラムの音には生音とミックス後の2つのゴールがある

ドラムの音 → 録音 → 生音
生音 → 加工 → 曲から流れる音
曲を聞いていて、とても心地よいドラムの音が聞こえる時があります。繊細かつ迫力ある音。
しかし、注意しておかなければならないのは、それは加工された後の音だということ。もとから打ち込みなどを使っているなら話は別ですが、そうでないなら録音した生音に手を加えています。そのまま使われていることはほとんどありません。
この加工前と後、つまり直接録音した生の音と、エフェクトなどを付加してミックスした音がゴールになります。
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生音とは
ドラムにマイクを立てて録音した音です。ドラムを叩いて発せられた音をそのままダイレクトに収音してデータとして残します。
自分で叩いた音を直接自分の耳で聞くのと、録音されて聞くのとでは思った以上に違いがあります。音を録音して聞く習慣を付けないと、その楽器が実際にどういう音を出しているのか正確にはわからないでしょう。
この点を疎かにしているドラマーは結構いると思います。私も最初はテクニックばかり追い求めて、音に興味を持ったのはかなり後でしたから。
ミックス後とは
リバーブやコンプレッサーといったエフェクトを付加したり、ドラム楽器間の音のバランスを調整したりと聞きやすいように編集した音のことです。
ノイズや倍音を除去したり、音圧を補助したり、音量バランスを整えたり、疑似的な音の加工を施したりすることで迫力あるドラムの音にしていきます。
エンジニア並みに詳しくなれとは言いませんが、どんなものか知っておくのは意味があると思います。リバーブとかはライブでも使ったりするので知っておくと表現の幅が広がります。
どちらが欠けても最高にはならない
加工はいわゆるブースター。さらに良くするためのものであり、元が悪ければいくら加工しても良いものにはなりません。
加工後の音、つまり理想の音は、加工前の生音を良くしないと良い音にはならないわけです。
そして、生音が良くてもその後の加工次第で良し悪しが変わります。
最高の食材も調理法が悪ければ、まずくなってしまいます。
最高の調理法を駆使しても、食材が腐っていては食べられません。
最高の食材と最高の調理法、その2つが合わさってこそ最高の料理になります。
最高の料理を作るためには、最高の食材を選ぶ技術、最大限活かせる調理法を学ぶ必要があります。決してどちらかだけというわけではありません。
音も同じです。
生音が良くても、加工次第で悪くなる。
加工が良くても、生音が悪いとどうしようもない。
理想の音は生音から始まります。
生音が良くても加工の仕方が悪いと理想の音にはなりません。
生音はドラマーが責任を持つべきもの
生音はドラマーが責任を持つべきゴールであり、これを良くするのがドラマーの腕の見せ所でもあります。
ドラムのチューニング、音作りでさえ外部の人間がやる場合もありますが、それはかなりレアなケースです。たとえそうであっても、自分が使う楽器くらいは扱えるようにはなっておいた方が良いでしょう。
加工した後の音がどうなるかを考えて音作りができればなお良いです。ミックスはエンジニアの仕事になりますが、最終的なゴールを知っておかないと方向性さえもわからなくなります。
最終ゴールを知るのは難しいかもしれませんが、知っているとそうでないとでは音作りにも違いが出ます。今すぐ全て知る必要はないですが、徐々にでも把握していけるよう努力をしていきたいところです。