[ドラムスコア] アシッド・レイン / アングラ
ツーバスの技を磨きたいならANGRA(アングラ)を聴くのが1番!
その中でも特に勉強になるアルバムRebirth(リバース)からAcid Rain(アシッド レイン)を紹介します。
ドラマーはAquilles Priester(アキレス・プリースター)
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曲解説
テンポ120
テンポ120というやりやすい速さでありながら、それとは裏腹に複雑なフレーズが登場します。
変則ツーバスリズム
特に耳をひかれるのがAメロのリズムです。32分音符を使って前の小節からクって入る変則リズムになっていて、テンポ120と言っても意外に難しく速さの切り替えが左右するリズムです。
6連連打
ソロ部分では6連を連打する所もあるので気の抜けない曲構成です。
フィルインバリエーション
ツーバステクニックもそうですが、この曲では特にフィルインバリエーションが豊富です。16分や6連はもちろん32分まで登場するので気が抜けません。手と足の連携とそれを一瞬で叩きいれる初速が命となっています。
ドラマーのアキレス・プリースターはパラディドルを使ったフレーズを得意とし、足は連打で手でパラディドルを用いたアプローチをよくします。パラディドルはちょっと違ったアプローチをする時には持ってこいなので、よく手に馴染ませておくようにしましょう。そうすれば1ランク上のドラムが叩けるようになります。最初は難しいと思いますが、ある一定の手のパターンが存在するので、それがわかればできたも同然です。
フレーズ解説
イントロ1 (0:25~0:37)
いきなりですが16ビートです。手順はオルタネートでスネアもタムもこの手順で叩きます。タムを叩く時がやりにくいかもしれませんが、そこまで速い移動ではないので大丈夫だと思います。3小節目までは左の譜面で4小節目が所々で右のパターンに変わるのでそれぞれ使い分けて下さい。
3小節目にインワードパラディドル『RLLR』で叩くとタム移動を気にせずスムーズに叩けます。その際は4拍目16分の2発目を抜かないと逆に無理が生じ、手順がおかしくなるので気を付けて下さい。フレーズ自体は崩れたりしないので心配いりません。
イントロ2 (0:39~0:46)
ハイハットをウラでというのが難しいかと思います。ウラにばかり気をとられて足が踏めない、足ばかり気にしてウラが安定しないという状態になりやすいので注意して下さい。ハイハットと一緒に踏み始め、一緒に踏み終わると意識すればやりやすくなります。そんなに速くないのでハイハットのウラとバスドラムがズレるとまるわかりになります。きっちり合わせることでスマートかつタイトなフレーズになるので気を付けて叩いて下さい。
イントロ3 (0:47~0:54)
前のフレーズの足を連打に変えたパターンです。
ウラに気を付ければ難しい事はないと思います。
イントロ4 (0:54~1:00)
曲の要所要所で出てくるフレーズです。
音符が細かい割には間があるので、難しくなっています。
32分音符
何気に踏んでしまうと安定せず16分になったりするので、32分だと意識して踏んで下さい。
1拍目の3発
ここがアタマになるので注意して下さい。32分がからんでいるので意外に速く、詰めすぎてもダメですし離しすぎてもスピード感がなくなります。右手はロータム→フロアとなるので上から振り下ろすような感じで叩くとスムーズに叩けます。
1・2拍目のバスドラム
ヨれる原因になるのがこの部分です。この2発がきちんとタイミングに合っていないとフレーズがすぐにヨれてしまいます。ある意味土台となる所なので長さを見失わないようにして下さい。
Aメロ (1:02~1:17)
このリズムに関しての詳しい解説はアイデアと独創性に優れたツーバスパターンでしています。
Bメロ (1:22~1:27)
勘のいい人はすぐにわかると思いますが、フレーズの中にある一定のパターンが隠されています。それがこのフレーズのコツです。本当はあなた自身で見つけてほしい所なんですが「面倒くさい」という人もいるかもしれませんので、時間短縮の為説明させていただきます。自分で見つけたいという人はこの先を読み飛ばして下さい。
一定のパターン
まずパターンの見つけ方を説明します。こういった複雑そうなフレーズも部分部分に分ければ意外と簡単です。基本はオルタネートの手順で楽器別もしくは右手・左手を別々にして考える。
このやり方をフレーズに当てはめてみましょう。パッと見でわかるのは、足が連打だということと、スネアを叩く時はフロアも一緒に叩くということ。他にはフロア以外のタムはハイタムしかないということと、ハイハットが常にウラで刻まれているということ。
手順で考えてみましょう。オルタネートと考えると右手は常にハイハットのウラを叩くということになります。最初の1拍目をクラッシュ→ハイハットと叩いた後はフロア→ハイハット→ハイタムの繰り返しです。左手はスネア→ハイタム→ハイタムの繰り返し。
手順がわかれば後は音符に当てはめれば完成です。まあ、当てはめて叩くのが難しいのですが。手順をしっかりと確認して叩けばすぐに叩けるようになると思いますよ。
Bメロ (1:35~1:39)
このパターンで1番のネックは2小節目の1拍目にあるハイハットのウラです。これが意外に難しく、1小節目の手の形に惑わされるとついついそのまま8分で叩いてしまう時があります。なるべく意識せずに叩けるように体に覚えさせましょう。そうなればウラといえど怖いものなしです。
サビ(サビ前フィルインから)(1:48~2:21)
ちょっと見にくいかもしれませんが、上の譜面が基本で最後の小節が随時下の譜面に変わるということです(※リピート後の1小節目の足は連打に変わります)
ライドの変化形刻み
最後の譜面以外はライドの刻みをフィルインと考えます。スネアは全部左手で叩き要所で出てくる32分はアタマを左手で右手をダブルで対処します。32分が絡む部分は左手が8分を叩くことになるのでライド→スネアの移動を速くしないと間に合いません。
最後のフィルインは32分2発と16分2発の計4発を1つとし、それを順にタム移動させていくパターンです。基本セットで考えているので最後はフロアの繰り返しですが、タムに余裕があるなら順番に叩いて下さい。そっちの方が音の高低差がはっきりして見た目もいいのでおすすめです。
ソロ1 (3:29~3:42)
基本的なツーバスパターンですね。テンポが120なので見た目よりはやりにくいかと思いますが、しっかりと16分を演奏して下さい。スネアの部分にバスを足して『ドッドド』の繰り返しにしてもOKです。ズレると聞こえが悪くなりますので、その際はスネアとバスがちゃんと重なるように注意して下さい。
ソロ2 (3:42~3:45)
スネアのみでのフィルインパターンです。アクセント記号が付いている部分はリムショット。付いていない部分はリムショットはせず、斜め線が付いている部分はロールで叩きます。
アクセントが付いていない部分は叩かなくても問題ありませんが、ロールの部分はしっかりと叩いて下さい。ここがなくなるとかなり変わります。というか、ないとただのスネアのフィルになるので気をつけて下さい。
マーチングアプローチでもあるこのパターンを叩こうと思ったら、アップダウンとルーディメンツのロールを含めたスティックコントロールが必要になります。これらについては教則本等では必ず出てくる奏法なのでそちらを参考にして下さい。こでは省略させて頂きます。
ただ、いつでも使えるようにしておいた方がいいのは確かです。私も一時期はまったことがあって、レコーディングでも多用したんですが、なかなか面白い感じに仕上がったのでよく使うようになりました。ちょっとテクニシャンな気分になるので試してみて下さい。
ソロ3 (3:51~3:53)
曲を一瞬聴いただけだとわかりづらいのですが、ここはやみで4発入っています。瞬間的にとはいえ4発入れるのはかなり難く、右足はともかく左足が追いつかないかもしれません。無理をして踏めなかったでは意味がないので出来ない場合は3発で抑えましょう。3発でも十分インパクトはあります(最初は私も3発でした)
もちろん自信があれば4発入れて下さい。ただし、できないからといって2発にするのはあまりよろしくありません。ここでなくても3発は良く使いますし、せっかくの見せ所を潰すことになりますからね。出来ない人もしっかり練習して3発は踏めるようにして下さい。
ソロ4 (3:58~4:00)
入れた者勝ちのガッツリフィルインです。テンポ120の32分、わかりやすくいうとテンポ240の16分です。ツーバスフィルインの最終形態でワンバスではまず出来ないでしょう。コツというよりは練習方法の工夫を紹介します。
32分を16分に変換して練習
とりあえず変換して見慣れない32分の音符を見慣れた16分の音符にします。わかりやすくかつ音符が詰まっていてもしっかりと1発1発をはっきり認識して叩く為です。それからテンポを上げていき、ある程度までできるようになったら音符を戻して練習します。32分は勢い任せになりやすいのでメトロノームのカウントをしっかり聴いて合わせて下さい。これさえできれば怖いものはありません。ツーバスを使った最強のフィルインなので必ず習得して下さい。
ソロ5 (4:22~4:29)
Aメロに続いての難関ツーバスパターンです。3小節分しか連打しませんが、されど3小節。テンポ180の16分に換算すると4小節分になります。速さ的にはテンポ180での16分なんですが、4発と6発という音数の違いがネックです。6連に慣れているなら問題ないのですが、そうでないならその違いがかなりきつく感じます。3小節でもやっている間は長く感じますしね。
しっかり踏むことと踏み切ること
コツはしっかりと踏むことと踏み切ることです。踏み切ることというのはそのままの意味で、テンポをきちんと守って遅れることなく踏み切るということです。ちなみに曲の最後にも2小節分改めて出てきますが、ここの3小節が出来れば問題ないと思います。ただし、それでも油断はしないで下さいね。
ソロ終わりフィルイン (4:30~4:32)
チェンジアップを主体とした面白いフィルインです。3拍目で一気にスピードアップする感じが出せればOKです。手を3つにして6連にしても問題ありません。手順をしっかり確認して叩いて下さい。このフィルインの後すぐにAメロに入るので4拍目の32分も忘れず踏んで下さい。私もフィルインに集中しすぎて忘れることがたまにあります(笑)
ラストサビ前フィルイン (5:19~5:22)
この曲のフィルインでの最大の山場がここです。手4足2・手2足2を2回繰り返し、手2足2を叩いて4拍目という形で、練習の仕方は先ほど説明した通りです。わかりやすいように手足の数で書きましたが、数ではなく拍でとらえるようにして下さい。でないとすぐに拍を見失うことになり、それがミスにつながります。速さも拍も乗り越えてこその究極系ですから、しっかりと練習を重ねてモノにして下さい。
ラスト6連前フィルイン (5:51~5:53)
最後の6連連打前に出てくるフィルインで手4・足2の繰り返しパターンです。手の移動が少し激しいので遅れないように注意して下さい。このすぐ後に6連なので勢いをつける感じで叩きます。上手くノせられたら気持ちよく終われますよ。
腕を磨くにはもってこいの曲
このアシッドレインはアングラの中でも良く練習した曲の1つです。特にAメロのフレーズはその時の足の調子を測る目安にもなっているぐらいです。テンポ120といっても地味に6連も出てくるので油断できないですしね。
いろいろ使えて!
腕も磨けて!
なおかつかっこいい!
特にフィルインなんか生ツバものですね。活用度100%越えの超イケてるフレーズばかりです。練習していて絶対損はないです。まあ、そんなこといわれなくても『練習せずにはいられない』でしょうけどね(笑)
- ※楽譜について
- 楽譜(譜面)は耳コピを基に作成しています。細かい部分まで聴き取り自信をもって記譜するつもりですが、各ドラマーなりの手癖、ハイハットや各シンバル、ゴーストノートを使用しての細かなフレーズや音質上、聴き取りづらいフレーズに関して正確に記譜できない場合があります。「絶対にこうだ」という保証はありませんので予めご了承下さい